Waffo が HSBC 主催フォーラム「Growth in Action」に登壇
Waffo 共同創業者の Steve Shen が、決済オーケストレーションと MoR を軸に、AI・SaaS 企業のグローバル展開を支える決済のあり方を語りました。

消費者行動が急速に変わり、小売の分散化が一気に進む今、加盟店にとっての問いは「どうプロダクトをつくるか」だけではありません。「決済の摩擦なく、どう事業を拡大するか」です。
Waffo の共同創業者兼最高事業責任者(CBO)Steve Shen は先日、HSBC 主催の業界フォーラム「Growth in Action: How Merchants Thrive in Future e-Commerce」のパネルディスカッションに登壇しました。
フォーラムにはテクノロジー企業のリーダーや小売大手が集まり、デジタル成長の「新しい論理」を議論しました。その論理を動かしているのは、AI、ソーシャルコマース、そしてグローバル決済アーキテクチャの抜本的な再設計です。

現代の決済インフラを支える3つの柱
決済チャネルの細分化と不正リスクの高まりを背景に、Shen は決済システムが「信頼を仲介するレイヤー(Trust Coordination Layer)」へと進化するという将来像を示しました。その分析は、次の3つの転換を軸にしています。
1. デジタルウォレットとリアルタイム精算
AI を活用したセキュリティに支えられ、デジタルウォレットとリアルタイム精算の広がりが、世界のお金の流れを描き直しています。
2. AI を活用した決済セキュリティ
変動の大きい市場で利益率を守るうえで、データに基づく意思決定がいまや最も重要な手段です。AI はプロダクトのためだけでなく、取引を守るためにも使われています。
3. クロスボーダー決済の透明性
安定性とセキュリティは「バックオフィスの関心事」から、新興市場における持続的な成長の土台へと変わりました。

AI の成長モデル:コミュニティからグローバルな収益化へ
Shen は、事業拡大を直線的に捉える従来の考え方に疑問を投げかけ、AI・SaaS スタートアップ向けに、段階を飛び越えて成長する「リープフロッグ」型のモデルを提案しました。
- プロダクト・マーケット・フィット(PMF):Discord や X.com などのコミュニティで検証する
- 成長の点火:Product Hunt を通じてオーガニックに拡大する
- グローバル収益化の壁:決済の細分化という「見えない天井」を越える
Shen はこれを、ある生成 AI の顧客の歩みで説明しました。このチームは開発者向けのチャレンジでプロダクトを磨き、オーガニックな成長に火をつけましたが、米国、インド、ブラジル、日本へ展開する段階で壁に突き当たりました。国ごとに異なる規制やクロスボーダー精算の障壁など、ローカル決済手段の極端な細分化が、成長の勢いを止めかねなかったのです。
「成長の転換点はトラフィックではなく、決済レイヤーにあります」と Shen は指摘します。「グローバルで安定して売上を回収できるようになって初めて、本当の意味で後半戦に入ったと言えます」
AI 企業がブラジル(Pix)や日本(PayPay)のような複雑な市場へ進出するにつれ、各地の規制に対応しながら成長の勢いを保つには、しっかりとした Merchant of Record(MoR)戦略が必要になります。
Waffo の決済オーケストレーションエンジン
グローバルな複雑さに対応するため、Waffo は単一 API で利用できる決済オーケストレーションエンジンを構築しました。
統合グローバルゲートウェイ(430以上の APM)
一度の連携で、日本の PayPay からブラジルの Pix まで、430以上のローカル決済手段につながります。決済手段が足りないことによる顧客の取りこぼしを防ぎます。
スマートルーティングと承認率の最適化
航空管制システムのように、成功率とレイテンシーをリアルタイムで監視し、各取引を最も効率的な経路へ振り分けて承認率を高めます。
税務コンプライアンスの自動化とデータ主権
VAT/GST の計算と不正のスクリーニングを自動化し、規制対応の手間を裏側で処理される仕組みに変えます。
結び:決済は信頼の通貨
グローバルコマースにおいて、決済は信頼の通貨です。資金の流れと情報の流れをリアルタイムで同期させることで、Waffo は現代の企業が求める「目に見える確実性」を提供します。
HSBC、Gaorong、BAI Capital の支援を受け、Waffo はデジタルコマースの次の黄金期を設計する戦略的な役割を担っています。デジタル競争の焦点が効率へと移るなか、勝者となるのは、決済オーケストレーションを単なるインフラではなく競争優位として扱う企業です。
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